それでも言う!新卒タクドラは絶対NG

長かったコロナ禍も過ぎ(たかどうかは分かりませんが)、その反動で都市部などではタクシーへの需要が増えています。

運転手不足を解消へ、タクシー会社が大学新卒者の採用強化
外国人観光客が戻る中、日本の慢性的なタクシー運転手不足が一層悪化しそうだ。タクシー会社は不足を補うために大学新卒者の採用に力を入れている。長い間、中年男性が多くを占めていた業界に変化の波が押し寄せている。
タクシーつかまらない福岡市、博多駅の乗り場に長い列…コロナ禍で2割が離職し運転手不足
【読売新聞】 タクシーの人手不足が深刻だ。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、街がにぎわいを取り戻す一方、福岡市ではコロナ禍の最中に運転手の2割が離職し、以前の水準に戻っていないためだ。週末や夜の歓楽街では慢性的にタクシーがつか

一方、コロナの時期に退職が続いたため運転手は不足しており、特に外国からの来客が戻って来た観光地などではタクシーの台数が足りなくなっています。

運転手的には非常にありがたい状態で、コロナ期に落ち込んだ売り上げも嘘のように回復しています。

もうかるときはもうかるのがこの商売のよいところ。でもいつまで続くかは・・・

ひっ迫する需要に対応するため、タクシー各社も採用活動を強化しており、特に大手系では新卒採用に力を入れています。求人サイトや人材屋はもちろん、各メディアもこうした業界の変化を好意的にとらえているようで、天下の公共放送たるN〇K様すらも堂々と特定企業のヨイショ記事を掲載されていますが、公共放送の公正中立って何なんですかね?

日本交通に聞く タクシー業界で新卒採用拡大の理由|NHK就活応援ニュースゼミ
【NHK就活ゼミ】 今、新卒採用を急速に拡大しているタクシー業界。どうして採用を拡大しているの?タクシー業界ってどんな働き方?日本交通に聞きました。

一件この業界に追い風が吹いているようかのような報道ぶりですが、無責任なマスゴミの垂れ流すステマ記事に騙されてはいけません。新卒でタクドラなんて人生をゴミ箱に投げ捨てるも同然、絶対にやってはいけない選択です。

タクドラはあくまでも他に行き場のない中高年の最後の逃げ場であって、未来のある20代や30代が選ぶ選択肢ではありません。

なぜならこの仕事に未来はないからです。

ライドシェアで詰む

マスコミで盛んにタクシー不足が喧伝される一方、こんなニュースがひっそりと流れているのを目にした方もいるのではないでしょうか。

自民・小泉進次郎氏「ライドシェアで選択肢ある社会を」 インタビュー
自民党の小泉進次郎元環境相は23日、産経新聞のインタビューに応じ、一般ドライバーが自家用車を使って客を有償で運ぶ「ライドシェア」について、「選択肢のある社会を…
(社説)ライドシェア 利用者本位で検討を:朝日新聞デジタル
自家用車を使って一般の人が有料で客を運ぶ「ライドシェア」について、政府が導入に向けた検討を本格化させる。タクシー運転手の不足と高齢化が深刻さを増す中で、公共交通の一翼として、小回りのきく自動車での移…

本来であれば日雇い同然の運転手の待遇を改善すべきところ、国は例の悪名高いレジ袋議員氏を筆頭に既にライドシェアの導入に前のめりです。

業界は表向き慎重な姿勢を崩していないようですが、おそらくタクシー会社がライドシェアの仕組みに一枚噛んで収益をチューチューするあたりが既定路線になっているでしょう(※憶測)。

世間でニュースになるということは、政財界の舞台裏では既に決着が着いているということです。

環境保護だのサステイナブルだのSDGsだのジェンダーだの大義名分の御旗の陰に常に利権がうごめくのは江戸時代の昔から変わらぬ東洋古来の風物詩であるとイブン=バットゥータの航海記にも記載があります(なげやり)。

そもそも資本家の立場からすれば会社の収益さえ確保できるなら営業形態なんてどっちでもいい話で、ライドシェアの仕組みで儲かるならそれで構わない。切り捨てられて馬鹿を見るのは現場の運転手だけです。

あなたはそれでも新卒タクドラの道を選びますか?

【’23 12/19追記】完全に予想通りの展開でした。分かりやすすぎて、もはや笑うしかありません・・・(次記事へ

自動運転で詰む

またこんなニュースも流れています。

エラー - NHK

私は以前、向こう十年程度は自動運転がタクドラの脅威になることはないだろうと思っていました。

しかし自動運転技術の発展は予想よりもかなり速いようです。エリア限定のサービスなら数年中には実現の域に達しそうな気配になってきました。

国土交通省|報道資料|国内初!運転者を必要としない自動運転車(レベル4)の認可について
国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。

「エリア限定なら大して影響ないのでは」と思われるかもしれませんが、エリア限定であっても自動運転は大きな脅威になり得ます。
というのは、タクシーが高単価で稼げるエリアは観光地や都心の一部など非常に限られるからです。

大阪市内で言えば深夜帯の需要はキタとミナミに集中します。このエリアから高速や新御堂に乗る自動運転のルートができてしまえば大阪のタクシー業界はほぼ詰みます、いや詰むのはタクドラだけか・・・

一気に全国展開とはいかなくても、そうしたタクシー需要の高いエリアに絞って自動運転サービスが実用化されるというのは十分あり得る状況になってきました。そうなれば今は深夜の酔客や固定の法人需要で潤っている都心のタクドラ勢も一気に詰みます。

資本家目線で言えば、低コストで同じサービスが提供できるなら、わざわざ高い人件費を払う意味はありません。求人サイトでは運転手ファーストみたいな戯言を謳っているタクシー会社も速攻で自動運転に乗り換えるでしょう。

無人タクシー、中国で加速 自動化でも存在感:時事ドットコム
中国で完全無人の自動運転タクシーの導入が加速している。「中国のグーグル」と呼ばれる巨大IT企業の百度(バイドゥ)は、北京をはじめとする10以上の都市で自動運転タクシーサービス「Apollo Go(アポロ・ゴー)」を展開。累計走行距離は1億キ...

いずれにせよ、今の新卒が三十代、四十代になる頃には自動運転が当たり前になっている可能性が高いです。そしてそのときにタクシー会社が今の新卒を幹部だったり事務部門だったりに抱えてくれるでしょうか?

月末一日前退職みたいなチート技の悪用(※過去記事参照)が常態化しているような業界にそんな温情を期待できるとは、私にはとても思えません。

それでもあなたは新卒タクドラになりますか?

一生歩合給で詰む

タクドラの賃金は歩合制が基本です。大手系ではある程度の最低額が保証されていることが多いですが、これは普通に支給条件を満たして営業すればよほどのことがない限りこれくらい稼げて当然という程度の額で、気休め以上の意味はありません。

文字通り日銭を稼いで分け前をもらう―それがタクドラという職業の本質です。

それでも新卒の場合、大手系では25万円前後の月給を1年程度保証したり、売り上げ次第では月収30~40万円も可能だったり、一見その辺の大手企業や公務員よりも数段稼げる仕事のように見えますが、ボーナスや福利厚生を含めれば、年収レベルでは見かけの月収ほどの差はありません。

そもそも走ってなんぼ、売り上げ立ててなんぼの歩合給と、毎月安定的に保証された月給は全く性質が違います。

タクドラの収入は自分の売り上げが全てです。頑張れば稼げると言っても、一勤務当りに上げられる売り上げには自ずと限度があります。体を壊さずに稼げるのは年収600万円程度が限界です。サラリーマンのような昇進や昇給もありません。

一生売り上げありきの歩合給です。

俺幹部候補生で入ったんだよねー、え、君も? あいつも? 路地裏のドブ臭い営業所は次々入社してくる未来の幹部候補生たちで溢れています(実話)。

ちなみに新卒リクルーターが安売りする「幹部候補生」という甘い誘い文句も要注意です。「候補生」はあくまでも「候補生」、現実は幹部どころか営業所の端役にもなれずに終わる「万年候補生」が大半というのが実態です。

 それでもあなたは新卒タクドラになりますか?

転職活動で詰む

タクドラからの他業種への転職は容易ではありません。

まずタクドラ勤務では二種免許酔客のあしらい方くらいしか身に付くスキルがありません。

酔っ払いというか頭のお〇しい客のあしらい方くらいですかね、身に付いたのは。イヤミもマウンティングも風のように聞き流し、多少の未収金にも目をつぶるスルー能力。転職はともかく生きる上では重宝します。

新卒でタクドラの経験しかないと、パソコンによる書類作成や電話応対、上司や同僚とのコミュニケーションなど一般的な社会人として必要とされる技能を身に付ける機会がありません。

第二新卒で売れる時期ならいざ知らず、そのまま年を食ってしまうと事務系職種への転職はほぼ絶望的になってしまいます。

そうなると一生タクドラに甘んじるか、転職するにしても貨物配送や介護施設の運転手などの隣接業種、もしくはブラック会社の営業職くらいしか選べないという蟻地獄のような状況に陥ってしまいます。

そうなっても国もマスゴミもタクシー会社も人材屋Youtuberたちも、誰も責任なんて取ってはくれません。むしろそうやって阿呆な情弱を出口のない搾取労働にハメ込むことで資本家やインフルエンサーが利益を上げる――それが弱肉強食の世の中の仕組みです。

それでもあなたは新卒でタクドラになりますか?

にほんブログ村 転職キャリアブログ 40代の転職・転職活動へ

コメント