長かったコロナ禍も過ぎ(たかどうかは分かりませんが)、その反動で都市部などではタクシーへの需要が増えています。
一方、コロナの時期に退職が続いたため運転手は不足しており、特に外国からの来客が戻って来た観光地などではタクシーの台数が足りなくなっています。
運転手的には非常にありがたい状態で、コロナ期に落ち込んだ売り上げも嘘のように回復しています。
ひっ迫する需要に対応するため、タクシー各社も採用活動を強化しており、特に大手系では新卒採用に力を入れています。求人サイトや人材屋はもちろん、各メディアもこうした業界の変化を好意的にとらえているようで、天下の公共放送たるN〇K様すらも堂々と特定企業のヨイショ記事を掲載されていますが、公共放送の公正中立って何なんですかね?
一件この業界に追い風が吹いているようかのような報道ぶりですが、無責任なマスゴミの垂れ流すステマ記事に騙されてはいけません。新卒でタクドラなんて人生をゴミ箱に投げ捨てるも同然、絶対にやってはいけない選択です。
タクドラはあくまでも他に行き場のない中高年の最後の逃げ場であって、未来のある20代や30代が選ぶ選択肢ではありません。
なぜならこの仕事に未来はないからです。
ライドシェアで詰む
マスコミで盛んにタクシー不足が喧伝される一方、こんなニュースがひっそりと流れているのを目にした方もいるのではないでしょうか。
本来であれば日雇い同然の運転手の待遇を改善すべきところ、国は例の悪名高い某レジ袋議員氏を筆頭に既にライドシェアの導入に前のめりです。
業界は表向き慎重な姿勢を崩していないようですが、おそらくタクシー会社がライドシェアの仕組みに一枚噛んで収益をチューチューするあたりが既定路線になっているでしょう(※憶測)。
世間でニュースになるということは、政財界の舞台裏では既に決着が着いているということです。
そもそも資本家の立場からすれば会社の収益さえ確保できるなら営業形態なんてどっちでもいい話で、ライドシェアの仕組みで儲かるならそれで構わない。切り捨てられて馬鹿を見るのは現場の運転手だけです。
あなたはそれでも新卒タクドラの道を選びますか?
【’23 12/19追記】完全に予想通りの展開でした。分かりやすすぎて、もはや笑うしかありません・・・(次記事へ)
自動運転で詰む
またこんなニュースも流れています。
私は以前、向こう十年程度は自動運転がタクドラの脅威になることはないだろうと思っていました。
しかし自動運転技術の発展は予想よりもかなり速いようです。エリア限定のサービスなら数年中には実現の域に達しそうな気配になってきました。
「エリア限定なら大して影響ないのでは」と思われるかもしれませんが、エリア限定であっても自動運転は大きな脅威になり得ます。
というのは、タクシーが高単価で稼げるエリアは観光地や都心の一部など非常に限られるからです。
一気に全国展開とはいかなくても、そうしたタクシー需要の高いエリアに絞って自動運転サービスが実用化されるというのは十分あり得る状況になってきました。そうなれば今は深夜の酔客や固定の法人需要で潤っている都心のタクドラ勢も一気に詰みます。
資本家目線で言えば、低コストで同じサービスが提供できるなら、わざわざ高い人件費を払う意味はありません。求人サイトでは運転手ファーストみたいな戯言を謳っているタクシー会社も速攻で自動運転に乗り換えるでしょう。
いずれにせよ、今の新卒が三十代、四十代になる頃には自動運転が当たり前になっている可能性が高いです。そしてそのときにタクシー会社が今の新卒を幹部だったり事務部門だったりに抱えてくれるでしょうか?
月末一日前退職みたいなチート技の悪用(※過去記事参照)が常態化しているような業界にそんな温情を期待できるとは、私にはとても思えません。
それでもあなたは新卒タクドラになりますか?
一生歩合給で詰む
タクドラの賃金は歩合制が基本です。大手系ではある程度の最低額が保証されていることが多いですが、これは普通に支給条件を満たして営業すればよほどのことがない限りこれくらい稼げて当然という程度の額で、気休め以上の意味はありません。
それでも新卒の場合、大手系では25万円前後の月給を1年程度保証したり、売り上げ次第では月収30~40万円も可能だったり、一見その辺の大手企業や公務員よりも数段稼げる仕事のように見えますが、ボーナスや福利厚生を含めれば、年収レベルでは見かけの月収ほどの差はありません。
そもそも走ってなんぼ、売り上げ立ててなんぼの歩合給と、毎月安定的に保証された月給は全く性質が違います。
タクドラの収入は自分の売り上げが全てです。頑張れば稼げると言っても、一勤務当りに上げられる売り上げには自ずと限度があります。体を壊さずに稼げるのは年収600万円程度が限界です。サラリーマンのような昇進や昇給もありません。
一生売り上げありきの歩合給です。
ちなみに新卒リクルーターが安売りする「幹部候補生」という甘い誘い文句も要注意です。「候補生」はあくまでも「候補生」、現実は幹部どころか営業所の端役にもなれずに終わる「万年候補生」が大半というのが実態です。
それでもあなたは新卒タクドラになりますか?
転職活動で詰む
タクドラからの他業種への転職は容易ではありません。
まずタクドラ勤務では二種免許と酔客のあしらい方くらいしか身に付くスキルがありません。
新卒でタクドラの経験しかないと、パソコンによる書類作成や電話応対、上司や同僚とのコミュニケーションなど一般的な社会人として必要とされる技能を身に付ける機会がありません。
第二新卒で売れる時期ならいざ知らず、そのまま年を食ってしまうと事務系職種への転職はほぼ絶望的になってしまいます。
そうなると一生タクドラに甘んじるか、転職するにしても貨物配送や介護施設の運転手などの隣接業種、もしくはブラック会社の営業職くらいしか選べないという蟻地獄のような状況に陥ってしまいます。
そうなっても国もマスゴミもタクシー会社も人材屋Youtuberたちも、誰も責任なんて取ってはくれません。むしろそうやって阿呆な情弱を出口のない搾取労働にハメ込むことで資本家やインフルエンサーが利益を上げる――それが弱肉強食の世の中の仕組みです。
それでもあなたは新卒でタクドラになりますか?
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