ネットニュースでこんな記事が流れていて、そういえば大阪のタクシー業界ではいまだにこんなクソ制度があったのを思い出しました。。。
なじみのない方には何のことやらピンと来ないと思いますが、大阪のタクシーでは長らく「55割(ごーごーわり)」というクソ制度が幅を利かせています。
どういう制度かというと、単純に「5000円以上の料金は5000円を超えた部分を半額にする」という大阪独自の制度で、一度に長距離を乗る人には大変お得な制度なのです。
長距離のお客様には大変好評な制度だったのですが、歩合給の運転手的には5000円以上の長距離を乗られるとその分の売り上げは半額しか計上されず、ぶっちゃけ「半額の時給で拘束される」に等しい状態になってしまい、ドライバーには悪評ぷんぷんというのが実態でした。
私も時々県外行きの長距離のお客様に当たりましたが、メーターが5000円を超えた途端、走っても走ってもメーターが回らなくなり、料金が1万円を超えるには優に1時間以上かかるのが常でした。
当然元の営業エリアに戻るにも同じくらいの時間がかかりますので、1万円の売り上げを立てるには2時間程度かかることになります。つまり1時間当たりの売り上げは最大で5000円前後、税抜きで4500円。運転手への報酬はその約半分なので時給換算すると2250円。
単純労働の時給としてなら悪くもない額ですが、深夜にいろんなリスクを背負い、酔っ払い相手に体を張って運転する報酬として見合う額でしょうか? それも売り上げありきの歩合制で。
わたしにはとても割が合うとは思えません。実際、規制緩和の時代には各地でいろんな珍制度が生まれましたが、いまだにこんなバカげた制度をダラダラと続けているのは大阪だけです。
なので他都市と違い、大阪では県外に行くような長距離はあまり歓迎されず、5000円を超えるか超えないか程度の中距離のお客様をたくさんつなげるのが理想的な営業とされています。
まあ、そんなの選べないのですが。。。タクドラにはお客様を選ぶ権利も方法もありませんし。
そもそもこんな悪制度が導入されたのは、K泉の規制緩和ブームの時期に劣悪な運転マナーで有名な某グループが客寄せのPRのためにやり出したのが始まりで、当然他社も追随した結果、どこの会社も止められない阿鼻叫喚のチキンレースと化して現在に至るというのが事の顛末です。
しかし当時の国もこんな労働搾取丸出しのクソシステムをよく認可したものですね。
まあタクシー会社的にはお客さんが喜んで全体の売り上げが増えればそれでハッピーなわけで、個々のドライバーの労働環境の悪化なんて知ったことではなかったのでしょうね。経営者目線では少しでも空車率を下げて資本効率を上げることが第一ですから。
国やお役人にしても会社が儲かってくれなければ税収やら天下り先である業界団体やらの収益に差し障ります。末端のドライバーの労働搾取問題のような自分たちの利益に直結しない問題なんて眼中にないのでしょう。
今になってドライバー不足やら燃料費高騰やらで採算が取れなくなったので撤回することにしたようですが、なにを今さらという感じです。
実際に制度が廃止されるのは夏ごろになるようですが、何はともあれ、いまさらでも悪法が廃止されてドライバーの労働環境が多少なり改善されるのは、元ドライバーとしてもいいことだと思いますし、素直に喜びたいです。
二度と戻る気はありませんがwww
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