このクソサイトをご覧になっている方には、タクドラへの転職を考えていらっしゃる方も多いかもしれませんが、私の経験からは一般的にはタクドラへの転職はあまりお勧めできません。
特に新卒の方はよくよく考えなおした方がいいと思います。タクドラに骨をうずめる覚悟ならともかく、この業界のスキルは特殊すぎて全く他業種へのつぶしがききません。
ただ、状況によってはタクドラという選択もありかなと思うケースもありますので、今回はそうしたケースについてお伝えしたいと思います。
ブラック労働で心が折れかけている人
まず言っておきますが、ここで言う「ブラック労働」というのは単に「残業時間が多い」とか「サビ残がデフォ」とかいうような、たんなる勤務条件への不平不満レベルのブラックのことではありません。
その程度のレベルのブラックであれば大概のタクシー会社もどっこいどっこいのレベルでブラックなので、わざわざリスクを負って転職しても、結局同じ不満を抱え続けることになるだけです。
ここで言うブラックとは、体調が悪い、あるいは既に病気になっているのに病院へ行く時間も取れないほどのレベルで職場に拘束されるような、健康や命に係わる次元の真のブラック労働を指します。
数字的には残業が月80~90時間を超えるあたりが一応の目安ですが、このあたりは同じ時間数でも会社や仕事内容によってかなり体感が変わるので、数字だけでは一概には言えません。
たださすがに3ケタを超えたり自●まで考えてしまうようなレベルであれば、タクシーのほうが(賃金はともかく)拘束時間自体は間違いなく減らせるので、タクシーへの転職という選択も十分ありだと思います。
タクシーの勤務も大概ブラックですが、さすがに過労●とか自●するようなレベルではありません。
タクシー会社の求人は年中出ていて、ほとんどの場合は面接や合格後の入社のタイミングもかなり柔軟というかほぼ希望どおりに対応してくれます。またほとんどの場合、入社当日から社会保険一式に加入できるのも大きなメリットです。
ただし隔日勤務という不規則な勤務体系と歩合給、そして運転にともなうリスクがある仕事だということには、くれぐれも注意してください。
人間関係で心が折れかけている人
現在の職場の人間関係で心が折れかけている人にも、タクシーはお勧めです。
タクシードライバーなら、良くも悪くも職場での人間関係はほぼありません。もちろん事務所の内勤スタッフとのやり取りはありますが、営業中は基本的に一人きりなので、お客さま以外との人間関係はそもそも発生せず、職場での人間関係に悩まされることもありません。
というかないものはない、それだけですねwww
どうしても今の職場の人間関係がストレスで壊れそう、給与や待遇はこだわらないからとにかく今すぐこのしがらみから抜け出したい、じゃないと〇ぬ、でも社保だけは絶対欲しいという方には、タクシーという選択も十分ありだと思います。
ただしタクシーの場合は、いつどんなお客さまを相手にしなければならないか分からない、という対顧客のストレスがあります。また歩合給で給与も確実には保証されてはいない、実質週休一日・祝日なしになるといったホワイト職とは別種のストレスが発生することには要注意です。
履歴書がヤバい人
何らかの理由で職歴に長いブランクがあったり、短期で転職を繰り返したりで、履歴書に難があるために就職に困っている人にもタクシー会社はお勧めです。
一部の大手を除き、基本的にタクシー会社の採用では履歴書の内容はあまり重視されません。中小系ではほぼ見ていないと言ってもいいくらいです。
多少のブランクや短期離職などがあっても、それだけで審査に落ちることはめったにありません。
基本的に健康面と運転免許(※重要)に大きな問題がなく、面接で常識的な受け答えができていれば大丈夫です。
経験の有無も問われません。むしろ大手系では未経験者の方を積極的に採用しています。
逆にタクシーからタクシーへの転職の場合、二種免許を取得済みという点はプラスになりますが、前の会社で事故などのトラブルになっていないか、なぜ同じ職種でわざわざ別の会社へ移ろうとするのか、審査が逆に厳しくなるそうです。
また同業他社からの転職だと「前の会社ではこうだったからこうすべき」みたいなウザい経験値アピールをして無駄に現場を困らせる人が一定数いるのもマイナスになる要因です。
面接では無駄に過去の経験値や業界知識をアピールしてウザい奴認定されるような愚を犯すのではなく、「御社のやり方に学んで新たに成長したい」という謙虚な姿勢を見せることに徹するのが大切です。
この辺りの話は実際に採用担当者から聞いたので、間違いないと思います。
あと、たまに「どんな人なら向いていますか」と聞かれることもありますが、この仕事に向き・不向きはほぼ関係ありません。普通に接客バイトができる程度の社交性と、レジの操作ができる程度の事務スキルがあれば大丈夫です。
ただし「二種免許さえあれば誰でもできる」というものではなく、最初に覚えなければならない細かな約束事がかなりありますので、その点の覚える覚悟は必要です。また大手系では接客マナーもかなりうるさく言われます(その割に給与はイマイチなんですがね・・・)。
基本的によほど穴や賞罰があるとかでない限り、タクシーの求人に履歴書だけで落ちることはないと思いますが、不安な方は一度ハローワークなどで書き方を相談してみるとよいと思います。
一言だけ言うと、
嘘を書いてはいけません。でもそれ以外は表現の自由です。
それでも「新卒でタクシー」だけはやめておけ
まあまさか新卒でこんな場末のクソサイト見てる暇人はいないでしょうがww、念のため万一そんな人がいたらということで声を大にして言っておきます。
新卒でタクシー会社へ就職するのは絶対にお勧めしません。悪いことは言わないからもう一度就活やり直してください。もしそれが自分の子どもだったらぶん殴ってでも目を覚まさせますwww
理由は単純、タクシー会社は行きどころのない中高年の墓場だからです。あるいは少なくとも社会的にそう思われている(←※ここ重要)からです。
新卒でタクシーに就職してしまうと、数年経ってから「やっぱり転職したい」と思ったとしても、当然ながら履歴書にはタクシー会社の社名を書くしかありません。
もちろん今のタクシー業界は昔と違ってただ運転するだけの仕事ではなく、メーターやらナビやら配車アプリやら、次々と現れては消える新しい機器の操作を覚えたり、通常の営業はもちろんフードデリバリーみたいな新しいサービスにも対応するなど、柔軟な対応力が求められます。
でもそうして苦労して身に着けたスキルが他業種へ転職するときに評価されるかは別の話です。
実際のところ、タクシードライバーで身につけさせられるスキルのうち、他の仕事でもいかせるのは接客マナーくらいです。昔なら地理の知識もいかせましたが、今はほとんどナビで代替可能です。
運よく一度でも事務部門に配属されればまだしも、そうでない場合は下手をするとエクセルやワードみたいな常識的な事務スキルすら身につかず、気が付いたら接客マナーと二種免許くらいしか売りのないアラサーになっていた、というようなことにもなりかねません。
そうなってしまうと他業種へ転職しようにもつぶしがきかなくなってしまいます。
そして転職の就活であなたの履歴書を見た面接官は、「あ、就職なくてタクドラしてたのね。であなた運転以外に何ができんの?」くらいにしか見てくれません。
それどころか下手をすると「こんな若いのにタクシー会社で働いてたなんて、何か裏の事情でもあるんじゃないの?」みたいに勘ぐられたりもします。
実際、中高年の転職でも前職がタクシーだと「前に何かやらかしたんじゃないか」みたいな余計な詮索をされたりしますので、新卒であればなおさらです。
つまり「タクシー会社で働いていた」という経歴は、転職に当たっては役に立たないどころか、下手をするとマイナスに作用しかねないのです。
一度やってみて嫌なら転職すればいい、なんて軽々しく就職してしまうと、後になってから大変な思いをすることになります。
現在大手系を中心に必死で新卒採用にやっきになっています。実際、新卒に限らず中高年でもタクシー会社の内定なら簡単にもらえます。でもこの業界、入るのは簡単ですが出るのは大変です。
特に未来のある新卒、第二新卒の方は求人広告や転職サイトの情報なんかをうのみにせず、自分の目と耳でタクシードライバーの現実を調べたうえで判断してください。
コメント
今のこの業界に転職しようか検討していましたが、他の記事含めて少し拝見してとてもリアルで本当に知りたかった事実が書かれていて、本当にタメになり面白かったです。まさに転職希望者が知りたかったのはこういう内容と情報です。つまり良い部分ではなく、ダメな部分、デメリットの部分です。それに対して自分が許容できるレベルか否かだと思います。しかし数社会社説明と面接で足を運びましたが、どこも良い事しか言わない、少し突っ込んだ質問をすると、人それぞれです、で誤魔化されたり、あやふやに回答されたりで、たかなか判断が付かないところでした。また東京のタクシー事情を発信してる人間は多くいますが、大阪での情報が本当に少ない。それでたまたま貴殿のブログ記事を拝見しました。とても参考になりました。
コメントありがとうございます。タクシードライバーって業界や転職サイトで発信されている情報と実態がかなり違うと思います。確かにこの業界ならではの良い部分もあるのですが、それと表裏一体でデメリットもたくさんある、そういうことを踏まえた上で考えていただけたらと思います。
またこのサイトに書いたことは私個人の経験がベースなので、今時点の最新の情報とはずれている部分もあるかと思います。まずはご自身の目と耳で調べたことを大切にしてください。