
この業界に入るとき、一番悩んだことが「隔日勤務(かくじつきんむ)」という謎の変則シフトでした。
一般的な夜勤とも大きく異なるこの変則シフト、タクドラへの転職を考える時の大きなポイントですので、今さらながら私の経験を書いておきたいと思います。
隔日勤務(かくじつきんむ)とは
この業界以外であまり聞くことのないシフト形態ですが、簡単に言うとまる一日働いた後まる一日のお休みがある、つまりは一日おきに働くというところからこのネーミングがされたようです。

ただそれだけ聞くと「一日おきでいいなら全然楽じゃん♪」と思いますが、実態はそうではありません。
夜勤を含めた正味の「まる一日」なので、実労働時間は昼職の二日分、無賃労働や仮眠などを含めた実際の拘束時間はそれ以上になります。
勤務と勤務の間は確かにまる一日あると言えばありますが、多くの場合、お昼過ぎに出勤して翌日のお昼前まで仕事のサイクルなので、体感的には全然「一日おき」ではありません。むしろ一日おきにしか家に帰れない、というのが実感です。
これを3サイクル繰り返してやっと丸一日の休みなので、実質週休1日です。
もちろん土日も祝日もお盆も年末年始も関係ありません。
出庫前は無償奉仕
一応夜メインの仕事なので出勤は午後~夕方のケースが多いです。私がいた会社では規定の出勤時刻は3時頃でしたが、実際の出社時刻は小一時間ほど前です。

会社に到着後はすぐ制服に着替え、アルコールチェックやら書類記入やらをして車両の点検や備品の補充を行い、いつでも出庫できるよう準備を整えておかねばなりませんが、これらの出庫前の作業は労働時間(=賃金ベース)に一切カウントされません。
転職サイトや人材屋のほとんどはこういう部分に触れないか、触れるとしてもさも大したことではないようにさらっと流すだけですが、彼らにとってはしょせんは他人事、実際毎日やる身になれば別物です。
いざ出庫~早めの夕食
さて点呼を受けていざ出庫、平日であればここから夕方あたりまでは割とお客さまも少ない時間です。

だからと言ってぼーっとしてる訳ではなく、準備運動がてら日頃行かない道を試したり、昼の光のあるうちに夜に走るであろう道を下調べしたり、食事や休憩のスポットを見つけておくなど、繁忙時間にはできないことをしておく貴重な時間です。
また繁忙時間になると食事なんて取ってる暇はないので、可能な場合はこの夕方の時間に軽めの食事やトイレ休憩を取って繁忙時間帯に備えます。
夕食・帰宅時間帯
夕方の5時過ぎから8時頃まではサラリーマンの帰宅や夕食へ向かう人で繁忙する時間です。隔日勤務の場合はここがまずその日の売り上げの行方を左右する前哨戦になります。
経験則的に、この時間帯までにある程度の売り上げが立つかどうかである程度その日の天井が読めてしまう重要なポイントです。
この時間はある程度お客様が集中するポイントが決まっているので、コツをつかめば割とコンスタントに流しのお客様にも出会えます。
大体8時過ぎには一度目のピークの山を過ぎるので、この時間に食事を取る方も多いです。深夜帯の繁忙時間に備えてトイレ休憩も忘れずに。
深夜帯
タクシーにとっての主戦場となる時間です。バーやクラブのお客さん、スタッフ、飲み会帰りのサラリーマン等、いろいろな夜遊び・夜職の方がご利用されます。
行き先は大阪だとほぼキタかミナミの繁華街、あるいはそこからの帰宅の方が大半です。特に終電後は帰宅するサラリーマンが多くなります。
もちろん自腹で遊ぶ人もいますが、領収書とか法人チケットとか多いですね。会社とかの接待なんでしょうね。
で、中にはこんな奴らもいる、と(↓)。
しかし東大も自分とこの教員がしでかしてることに対して「お答えできません」って何なのよ?
国立大って一応公金で運営してる組織ですよね? おたくの上野なんちゃらいうフェミ教授様は何て言ってんでしょうか。
ま関係ないけど。
仮眠タイム
深夜帯も午前1時を過ぎるとさすがにピークアウト、2時頃には人影もまばらになりますので、この辺りで仮眠を取ることが多いです。
まあ走ればお客さんがいないこともないですが、泥酔とかのトラブル率も高めになるのでこの時間はあえて走らないが正解かもです。

コンプラのきちんとしたところでは1出勤につき必ず2~3時間エンジン止めて休憩してるのを確認されますので、休憩なしで営業すると後で指導されます。
大体は出先の適当な場所で車中泊のケースが多いですが、たまたま営業所付近まで来てるときは営業所で仮眠する人もいます。会社によってはシャワーやお風呂があったりするようです。
ちなみに私の会社では休憩場所は臭い喫煙所しかなかったので、営業所に戻っても駐車場で車中泊するだけでした。。。
朝は4時起き
仮眠後は早朝の営業です。始発前の午前4時過ぎあたりから町は動き始めます。
始発の新幹線へ向かうサラリーマンから、一晩中飲み明かした謎の酔客集団まで、様々な方が利用されます。
実は泥酔客のトラブルが多いのはこの時間帯です。

閉店後のバーに呼ばれて行ったところ、べろんべろんに出来上がった正体不明の酔っ払いを放り込まれて「後はよろしく」みたいな目に会うことも無きにしも非ず・・・
ちなみにマニュアル的には泥酔してコミュニケーションも難しいような人はお断りできるのですが、さっきまでしっかりしてると思った人が爆睡して起きなくなったりゲ●吐いたりするなんて日常茶飯事ですから、実際上はよほどのケースでないとお断りは難しいです。
ただ上手に立ち回れば一発で最後のひと稼ぎを立てられる時間帯でもあるので、しっかり動きたいところです。
ラスト 朝の営業
いよいよ帰庫前のラストスパート、始発後~8時頃までの朝の営業です。
この時間は通勤や買い物、通院などいろいろな年代の方がご利用されますので、特に決まったスポットというよりは駅周辺やマンション、住宅地など人がいそうな場所ならどこでもお客様に会える時間です。
長距離はあまりなく、最寄り駅だったり近場のデパートが多いですが、大きな病院などそこそこの距離が出ることもあります。
ただコンプラのきっちりしたところでは走行距離や帰庫時間がシビアなので、どのあたりで引き揚げるかの判断も必要になってくるタイミングです。
頃合いを見ながら営業所の方向へ流していきますが、たまに終了間際にとんでもない長距離を引いて「今さらかよ!!」となってしまうことも無きにしも非ずです・・・

いえ、ありがたいんですけどね。。。
帰庫しても仕事は終わらない
無事営業を終えたら「回送」表示にして営業所に戻ります。これを忘れると途中でお客さんの手が挙がったら乗せないわけにはいかなくなります。
大体はこのタイミングで給油を行います。営業所に帰庫するのは新人の場合大体午前9時頃です。予約等で早めに売り上げを立てられるベテラン勢(のうち優遇されてる人)はもう少し早めに切り上げて、新人が帰庫するころにはとっくに納金・洗車まで完了して帰っている人もいます。
が、そんなのは新人やその他の有象無象には許されません。
私の場合はそこから納金事務に早くても30分、洗車・車内清掃に小1時間がかかり、退社できるのは早くて11時頃、多少なりトラブルでもあればお昼を過ぎるのが普通でした。
最悪なのは「勉強会」という名のもとに行われる半強制のミーティングで、これがあると解放されるのは昼食時間をまたいで午後2時とか3時、下手をすると徹夜明けなのに夕方のラッシュ時間に帰宅みたいなことになります。
ザ・社畜の鏡ですね。。
ちなみに「洗車とかそんな1時間もかからんやろ」と思う方は大間違いです。
車両は会社の大切な資産、次のドライバーが気持ちよく営業できるよう、車内も含めてチリや水あか一つ残すことのないように、ホイールの1つ1つに至るまで人の手で完璧にピカピカに磨き上げて戻さねばならないので、余裕で小一時間はかかります。
まあルーズな会社なら適当でいいかもですが、まともな会社ほどその辺りも厳しいです。
結論:隔日勤務は体に悪い
まあ拘束時間に関しては会社やその人の立ち位置によりけりな部分はあるので一概には言えませんが、これだけは言えます。
隔日勤務は体に悪いです。

転職サイトや人材屋は「慣れの問題ですよ」なんて言ってますが、それは嘘ではありません。慣れることは慣れます。でも体に良いか悪いかは別問題です。
私自身の経験や見聞きした範囲では、体調が良くなったという人は一人もいません。
「慣れた」という人は多いですが、ほぼもれなくメタボ悪化します。健康診断の数値も確実に悪化します。
そりゃあ昼過ぎ出勤で翌日昼前まで、仮眠を挟んでコンビニ食やらファストフードやらでお腹を満たして座りっぱなしの仕事してたら、体調が崩れない方がおかしいです。
夜勤明けで家に帰っても結局家でダラダラしながら
めっちゃお腹すく→爆食→昼寝→夕方起きて爆食2→翌日の勤務に備えてまた寝る
の無限ループを繰り返すわけですからね・・・
中にはジムやら節制やらに務めて見た目体形を維持されてるような方も小数いますが、そんな方でも自律神経や内科系の疾患は免れません。細マッチョでも糖尿とか普通にありますし・・・
いずれにしても健康に長く続けられるような仕事ではありません。
あーいっそワイも東大教授にでもなっておけばよかったな―( ̄▽ ̄)
まキャバも風●もそんなに興味ないですが。。。
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