隔日(かくじつ)勤務は確実に体を蝕む

タクシー業界への転職を考えておられる方の大半が不安に思うのが、この業界特有の勤務形態「隔日勤務」への不安です。

「すぐに体が慣れますよ」=「体がバカになるから病気になるまでは平気ですよ」:転職サイトにおける非常に高度なライティングスキルの一例

私も転職を決める前にかなり悩みましたが、すぐに慣れます」「慣れればむしろ隔日勤務の方が楽ですよ」などという転職サイトや面接官の甘言を真に受けて転職を決めてしまいました。

経験者として言いますがこれは赤も赤、真っ赤な大嘘です。現役のタクドラも大丈夫とか言ってたりしますが真に受けてはいけません。確かにどんな無茶なサイクルでも何度か繰り返せば慣れはしますが、本人が気づいていないだけで、見えない部分で確実に健康は損なわれているのです。

一般的な隔日勤務では昼過ぎから出勤して翌日昼前まで勤務、次の出勤は翌々日の午後というサイクルです。(なお求人サイトなどでは翌日の朝には仕事が終わるかのごとく説明しているケースが多いですが、実際はそんなに甘くありません。乗務が終わっても洗車・納金事務などの無賃労働で昼前まで拘束されるのが一般的です)

一見確かに勤務と勤務の間のインターバルがまる一日以上あり、そこだけ見るとむしろ一般的な日中勤務よりも休みが多く見えてしまうのですが、これは単に一勤務で普通の倍以上の仕事をしているからです。

そしてこの一見長いインターバルも、結局は前日徹夜で走り回った疲労のため、惰眠をむさぼったり家でダラダラして過ごすしかありません。

中にはギャンブルやら食べ歩きやらへ繰り出す猛者もいますが、そんな馬力を残せるのは少数派です。またいくら営業成績が優秀でも日常の自己管理がきちんとできない人は早晩体を壊していつの間にか消えてしまうのも、この業界のあるあるです。

昨日までバリバリの稼ぎ頭だった人が、突然入院してお休みや鬼籍に入ってしまうケースも決して珍しくありません。

それどころか、酒もギャンブルもしない人でも大丈夫とは言えないのです。

まずこの仕事を続けていると、中高年はたいてい一年もしないうちにメタボになります。

だって夜中働く→当然夜食、朝まで仕事→仕事後に爆食→夜まで昼寝→起きたらまた食べる→次の勤務の昼前まで寝る のサイクルを無限に繰り返すのです。

こんなサイクルを繰り返していたら中高年でなくてもメタボ化するのは必然です。

もちろん一部はジムへ行ったりウォーキングしたりして、見た目は変わらず健康体をキープしているように見える人もいますが、それでも内臓や血管系のダメージはごまかせません。その結果がこんな事故につながっているのではないでしょうか。

意識もうろうとした運転手、ドライブレコーダーに映る…タクシー事故の直前
【読売新聞】 東京都千代田区九段南の内堀通りで11日、タクシーが歩道に突っ込んで6人が死傷した事故で、タクシーのドライブレコーダーに、運転手の山本斉さん(64)(杉並区上井草)が事故の直前、運転席で意識がもうろうとした状態になってい

実際、こうしてニュースになるのはほんの一部です。

同じようなケースでも単独事故だったり営業所内での事故であれば、まずニュースにもなりませんし、運転していないときや勤務時間外に倒れるケースは事故にすらならず、単なる普通の突然死扱いです

もちろん高齢者の比率が高いというタクシー業界特有の事情はありますが、わたしが見聞きした範囲だけでも複数の突然死があり、それらはネットの三面記事にすらなっていないのです。

それでもあなたはタクドラになりたいですか?

私は緊急避難以外でタクドラになることはお勧めしません。

だって人間、生きててなんぼですからね。

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